『花たちの戦いー宮廷残酷史』女たちの権力闘争
17世紀朝鮮王朝、第16代王・仁祖は清の侵攻により、冊封国となることを受け入れ、長男のソヒョン世子たちも人質として清に連れ去られてしまう。8年後、朝鮮に帰国したソヒョン世子と嬪宮カン氏は、清で学んだ西洋の思想や文明を、自国の“新たな国作り”にと夢と希望を抱く。異国の文明を取り入れた基盤改革を考案する世子に仁祖は激怒。その後、親子関係は悪化するばかりであったが、その背後には、王が寵愛する側室・ヤムジョンの存在があった・・・。ヤムジョンは自らの欲望と野望のために仁祖を心理的に操り、重臣、王妃や後宮と激しくぶつかっていくのだった・・・・。
『花たちの戦いー宮廷残酷史 DVD』の第1話では、上のご紹介記事で触れている通りの、清の侵攻に屈して籠城していた南漢山城を出た王が、太宗ホンタイジの前で三跪九叩頭をさせられるという屈辱シーンを、悲壮感たっぷりの演出で見せてもらえます。
ウィキペディアによると、仁祖は当初江華島に逃れるつもり(武権政治のときと同じですね)だったものの、清の進軍があまりに早くて間に合わず急きょ南漢山城にこもったため、兵力はわずか、食料も50日分しかなく、その上世子ら家族を江華島で人質にとられて万策尽き、45日めに降伏を決意したようです。
ときは1637年1月30日。激しい雪のなか、輿に乗って城門から出てきた仁祖に対して、出迎えた清の将軍は輿を降りて歩くように強要します。言われるままに一行の先頭にたって歩き始める仁祖。腰まで届きそうな豪雪のなかをよろめき雪にまみれながら、地を覆うばかりに広がる清国大軍の間を抜けて進んでいきます。前方には高々とそびえるようにしつらえられた皇帝の玉座。そこから見下ろすホンタイジの前に跪き、一度目の三叩頭をする仁祖。次に段をのぼり二度目、そしてさらにのぼって三度目と、9回も地に頭をうちつける王様の額は割れて血が流れ…。見守る臣下や内官らは膝をついて号泣し…。